名前 アルンさん  
 
補足
カジュが飛んで行った先の雲の間から、輝く太陽のような光が見えました。
そのままカジュは、明るい光りの中に突入したのです。
 
たいてい先にインナーさんのダットさんの所…インナー・スペースに向かうはず
なのですが「いきなり光のトンネルって、これはハイヤーさんの所に直通では?!とびっくりしました。
 
その輝くトンネルをまっすぐ進んで行ったカジュが
少し傾きがちに飛んでるなと思ったら、上に折れ曲がり上昇。
いきおいよく光のトンネルの天井(?)をズボッと抜けると、天界のようなモヤが漂うところに出ました。
 
「わ〜見たこと無い所に出たわ…」と私が戸惑っていると
カジュが羽根で「早く来るぴちゅ」と、手招きしています。
 
カジュの傍に行くと ダットさんらしき黒い膝まであるブーツが見えました。
ダットさんは、以前と同じ青い海兵の制服に身を包み
帽子は無しの姿で出迎えてくださいました。
 
カジュを抱き上げ自分の肩に止まらせ、薄くけぶる靄の世界を進みます。
その先に空中に浮いた建物がありました。
 
そこに上がる階段も普通の階段ではなく空中にフワフワと浮いています。
結構間隔がある浮いている階段を ダットさんは簡単そうにヒョイヒョイと飛んで昇り
建物の入口前で 私が来るのを待っていてくださいました。
 

 
注目すべきは階段より、そそり立つ建物。 …良く見てみるとそれは白亜の教会でした。
切妻屋根が3つある印象的な外観です。
 
ダットさんに案内され、教会の中に入りました。
両側に椅子がずらっと並び 両側の窓はステンドグラスなのか
明るく陽射しが差し込んでいます。
 
よくある教会の内部なんですが、正面にキリスト像がありません。
白い壁があるだけ。 ダットさんは右側最前列の席に座り、
西洋の人達がよく「アーメン」とする 手を組む仕草をなさいました。
 
そこからしばらく何もおこらず、カジュも教会内をウロウロして待ちました。
キリスト像があるべき壁の上に、アーチ型になった所があり、
そこから何か 気体が出てくるイメージが…それは5人の幽体の乙女達。
 
ダットさんに 「5人の女性の中の一人がアルンさんですか?」と聞いてみましたら
「違う」と 言われました。
 
彼女達は教会の天井の四方に散り(五人だから、五方です) 五芒星をつくりました。
幽体の乙女達が出てきた同じ場所から さらにキラキラ光る気体が出てきて
その五芒星に収まり人間化したのです。
 

 
その方は、地面に居る私達の目の前に降りて来られました。
降りた勢いのままだからか、髪の毛が天井近くまで逆立っています。
 
それ意外に一番最初に目に入ってきて印象的だったのが 額の「小」のような模様です。
アルンさんなのかをお聞きしてみると YESのお返事。
 
カジュが羽根を広げ片足を少し下げ西洋の騎士のお辞儀めいた 挨拶をしますと
アルンさんはニコッと無邪気な笑顔で応えてくださいました。
 
姿が宇宙人めいていたので、ずっと無表情なのだろうかと思っていたのですが
その気さくさに少し驚きました。
 
少年っぽい顔の輪郭に、大きく輝く銀色の瞳の力強さも印象的で
その輝きが虹色の翼のように感じられました。
 
二回目の訪問時は、ダットさんがどこにも居らっしゃらなくて
カジュと二人で同じ教会に向かいました。
 
カジュが同じ天井に近い壁に向かって「ぴちゅ」と呼びかけると
そこからまたキラキラした気体が出てきて今回はアルンさん単体で人間化なさいました。
 
アルンさんに「ダットさんは…?」とお聞きすると
首を少し後ろに回して遠くを指し示し「あっちに居る」とおっしゃいました。
「お忙しいんですね?」と さらに質問させて頂くとコックリ頷かれ、
アルンさんの縦に長い髪が、剣をふるう みたいに空(くう)を切りました。
 

 
前回に見えなかった姿の詳細を、さらに見せて頂いたのですが
髪はそそり立つ銀色のエネルギーのように高くそびえ
耳は妖精の ように少し尖っていました。
 
宇宙人っぽいお顔に眉はなく、少し透明な青い肌の身体には
金色の螺旋が透けて見えます。
 
額の「小」みたいな模様の所は 胸にある孔のと同じように凹んでいて
上に蓮のような花模様が3つありました。
 
アルンさんがカジュを撫でてくださるために伸ばされた時に見えた手には
肘まである少し古いSFっぽい デザインで、あまり装飾がない白い手袋をはめておられました。
 
「もしかして、もっと現世の人間っぽいアルンさんの姿もあるんでしょうか?」
とお聞きすると来たイメージが、左頬に唐草の刺青があって、唇にピアスをし、
髪は左側に太陽のような金色のモヒカンでそそり立った、やはり眉は無い…
パンクっぽい少年の姿でした。
 
あまりの奇抜な姿に「…冗談ですよね?」とお聞きすると、フルフルとNOのお返事が来て
アルンさんのユーモアなのか本気なのか解らないお返事に、思わず笑ってしまいました。