名前 サーシャさん  
 
補足
カジュが飛んでいった先はキャルさんのお家の近くの緑の茂みでした。
草をかき分け、彼の木のウロで出来た家のドアをカジュがクチバシでノックすると、
キャルさんが出てきてくださいました。
 
「ハイヤーさんのところへ連れて行って欲しい」とお願いしますと、
「ちょっと待ってね」とキャルさんは、いつもの緑の服の上に赤い背広を羽織って出てこられました。
 
外に出てきたキャルさんは勇ましく「じゃあ行こう」 と空を指し
カジュの背中に乗り込みました。

 
カジュはまっすぐ上空に向かって上昇しました。
このまま上に行くと地球の空を突き抜けて「あ〜宇宙にいっちゃう」と思っていたら
やはり宇宙遊泳です。
 
宇宙に妖精…と言う図に不思議さを感じながら、
キャルさんに ここからどうするのか聞きましたら、
足の下に見える地球の周囲の向こうを指さし、「あっち」とおっしゃいました。
 
宇宙の遠くに出かけるのではないみたいです。
地球の周回にやってくるものといえば、人口衛星か…本当の衛星の月。
 
向こうから月がやってきて、カジュは土煙を上げて月に着陸しました。
キャルさんはカジュから降り白く砂っぽい乾燥した大地を歩きました。
「小さいのに、この広い月の大地を歩いで行くの?」と 思いつつ追いかけると、
彼はクレーターの真ん中まで斜面を滑り降りました。
  
真ん中には、キャルさんが一人通れるだけの小人用の青いドアが地面についていて、
キャルさんは嬉しそうに、その中に飛び込みました。

 
カジュに「私達もあの小さなドアに入り追いかけるべき?」と
聞きましたが、カジュは待つように首を横に降りました。
 
しばらくすると、キャルさんが出てこられましたが、
別段ハイヤーさんが一緒に来られたわけでもないので…不安になり、
また「ハイヤーさんは…?」とお聞きしてしまいました。
 
するとなんだか、妙なイメージ・・・月そのものがハイヤーさんのような、
…その印象を一旦自分では否定したのですが、
キャルさんに聞くともうすぐ出てくるみたいにおっしゃいます。
 
「出てくるってどこから?」すると、月からハイヤーさんの姿が、
大きな立体映像となり宇宙に立ちあがりました。
なんとも壮大な映像です。(参考イラスト全身画、ですが絵は二回目での様子です)
 
真正面で対峙する形でハイヤーさんにお会いしたのですが、
柔らかそうな金の髪は、前に垂らした部分だけ少しウエーブしていて、とても優雅で女神のようです。
 
閉じていたまぶたがゆっくり開かれると、春の新芽を思わせる優しい若草色の瞳が見えました。
その瞳は姿形の雰囲気からは想像もつかない、
燃えるような強い輝きを内側から放射していて、魅せられました。
 
お名前を私がお聞きすると、ご本人様が自分で聞いて欲しいと言われました。
 
二回目の訪問は、またキャルさんのお家からはじまったのですが、
ふとキャルさんはカジュに乗っていかなかったら、
一体どうやって月へ(ハイヤーさんのところへ)行くのだろうと不思議に思い
キャルさんに「一人で行ってみてもらえませんか?」とお願いてみました。
 
すると空から(月から)スルスルとハシゴが降りてきたのです。
「小さなキャルさんがこれを昇って月まで行くの?冗談かな?!」と思ったのですが、
キャルさんはハシゴを登り始めました。
 
するとハシゴの持っている所が、 エスカレーター(ベルトコンベア?)のように自動で上昇し始めたのです。

すごいハシゴに 感嘆しながら、私とカジュも彼の後に続いて飛びました。
 
到着したのはやはり 前と同じ月の上。
キャルさんに「今度はハイヤーさん本体にお会いしたい」 とお願いしました。
 
するとキャルさんは、「あっち」と月の荒野を指で指し示しました。
そこの空間には別段何か建物があるでもなく、
月の無味乾燥な大地が広がるばかりです。
 
疑問を感じつづもキャルさんの後に付いて歩くと、
突然地面が大きなガラス張りのところに出ました。
 
驚くことにそのガラス張りの中は人工的に掘ってあり、
その中に横たわる人の大きな足がみえたのです。「まさか、これハイヤーさんの足?」
 
ガラスの地面をもっと先に歩いて行くと、ハイヤーさんの顔が見えるところまで来ました。
これが本体…映像ではないハイヤーさんだったのです。
「月そのものがハイヤーさんだと感じたのはこのせいだったんだ」と思いました。(イラスト右下)
 
白雪姫のようにガラス張りの中にいるハイヤーさんは、
眠っている訳でもなく、目をあけて会話も出来きます。
 
「なぜ月の中で横たわっているのですか?」
 
『象徴として』
 
「月と一体化している象徴?」
 
『コックリ(YES)』
 
「この月も現実の月というわけではなく象徴ですか?」
 
『コックリ(YES)』
 
「あなたはどうしたらこの中から出ることが出来るのでしょうか?」
 
・・・するとハイヤーさんは、また一度目の訪問の時のように、映像として宇宙に向かって広がりました。
 
『身体は月に同化していても、幽体はこの宇宙のどこまでも広がれる。(イラスト参照全身画)
 
肉体ごと出る必要はない』幽体離脱みたいな感じなのだなと感じました。
 
三度目、服や装飾の詳細を見せてもらいに伺った時は
月の上で優雅に横たわたって寝そべっておられました.。

(やはり映像っぽい透明な状態です)
 
装飾は額の金冠だけで かなりあっさりしたものでしたが、
金冠だとお聞きした時に そこに細かな唐草模様が刻まれているのが見えました。
最初キャルさんが地下に行く小さな扉から入っていった先は
彼女の本体が横たわっている、あの地下に行く扉だったようです。