名前  エイエレーネさん 
 
年齢  18歳
 
国籍  ギリシャ・テスプロティス地方
     現在のプレヴェザ県ファナリ市メソポタモ村 
 
身長 155cm
 
職業 ハデス・ヘレセポネ神殿、死の託宣所の巫女
 
前世バージョン  ○ (紀元前100年代) 
 

補足
カジュが飛んでいった先は、真っ暗な洞窟の中でした。
 
足元は土っぽく、舗装されていないなだらかな坂になった道で
人工的な丸っこい石が等間隔に並んでいます。
 
カジュはその石の上をピョンピョン渡って行き、たどり着いた所はギリシャの神殿らしき所でした。
5段くらいの短い階段を上り神殿内部に入ってみると、遠目に大きな窯の前で踊る女性が見えてきました。
 
何かの儀式の最中なのか釜からは湯気が上がり、彼女は手にフリードラム(片面太鼓)を持ち、
聞こえないくらいの音量で歌い、呟きながら踊っておられました。
カジュもドラムの音に誘われたのかインナーさんの踊りの真似をし、一緒に踊り始めました。
 

 
そのトランス状態の踊りが終わると、彼女はがっくりと膝を折り四つん這いに なるような感じで前に手を付きました。
その状態で一呼吸…次にパッと頭を上げた彼女は 普通に戻ったみたいで「何か用?」という顔で私を見ました。
 
「ご本人様の依頼で来ました」 と申し上げると、先ほどと打って変わって呪術的な空気はまったくない
社長秘書とお話し しているみたいな対応が面白かったです。
 
彼女はカジュの方を振り向き「で、あれは何?」 「私のインナーセルフです、カジュを見て何か感じられますか?」
「別に」…というあっさりした感じでした。(後ほどこれは人見知りだったのだと判りました)
 
この神殿がギリシャのものか?どの神様に仕えておられるのか?を詳しく聞きました。
カマドの前で踊っていたので、カマドの女神へステアなのかとか、幾人かの女神の名前を提示し
ここはヘレセポネ女神の地下神殿と言われました。
 
ヘレセポネは冥府の女王です…ということは、口寄せとかするんですか?とお聞きすると
小さい頃から霊能力があり 神も降ろせるとのことでした。
 
一度目の訪問後、ギリシャのヘレセポネ地下神殿を調べたのですが、なかなかありません。
母神のデメテルとヘレセポネの合同の神殿は出てきますが、地下ではなかったのです。
 
2回目の訪問、地下神殿に飛んでいったカジュは、ギリシャ風の柱を一回転して着地。
私は今回、少し甘いムッとする匂いの雰囲気を感じました。「乳香(フランキンセンス)ぽいかな?」
 
カジュはトコトコとカマドの前で、あぐらをかいて祈祷している彼女の傍に近づきました。
私が後ろから挨拶すると 振り向いた彼女は、半眼でつり目気味なお顔だったので
またトランス状態なんだなと感じました。
 
彼女が打ち鳴らす持ち手がついたフリードラムのドンドンという音に合わせて
カジュは カマドの周りで舞います。
 
 
 
今回は初めて行った時見たような大きな釜は置いてありません。
地面より一段低いカマドの中には火が燃えています。
 
彼女の右側の地面に金属のお盆が置いてあり
そこから何か掴んでカマドの火の中にくべていました
「あれが香っていたのかも」。
 
ひとしきり踊ったカジュは彼女の膝に乘り「ピチュ」と声をかけました。
そのきっかけでか、本来の顔にもどった彼女は「なんだ?またおまえ…」と
膝の上でポムポムと弾むカジュの頭を撫でていました。
 
彼女がこの神殿にいつ頃からいたのか聞いてみました。
「三歳〜死ぬまで」「閉じ込められてる」という感じの答えも来たので「出たいですか?」と聞くと
「出たって生きていく所がない」とおっしゃっていました。
(完全に閉じ込められているわけではなく、時に皆でお忍びの外出はしていたみたいです)
 
この神殿にお勤めのメンバーは男性の太った神官と、
おばあさんの先輩巫女が2人、彼女以外にも若い14歳の巫女が1人という感じ。
彼女はその14歳の巫女と同室で仲良しだそうです。
 
三度目の訪問前に、現実でヘレセポネの地下神殿でネクロマンディオという所を見つけました。
やはり死者と交信するような儀式をする伝承が残っている場所でした。
 
三度目は洋服や持ち物をちゃんと見せて頂きました。
今回はネクロマンディオの写真を見てから行ったせいか、カジュは地上から行きました。
(巫女達の家は地上に有り地下に出勤します)
 
地上から地下に降りる階段を行くと、ウイスキーの酒蔵を思わせる縦長の石造りの部屋がありました。
一番奥に人工的な滝が設けてあって、そこで彼女は禊をしていました、
 
裸の彼女にご挨拶して、朝一や儀式のあとなど 1日に何度も禊をなさるようです。
その禊部屋を更に下に降りると、私達が最初に行った神殿がありました。
 
服を纏う一連を見せて頂きながら、眼の模様の真鍮のペンダントが変わっていたので
(紐はご自身の髪で編んであります)何か意味があるのか聞いてみました。
 
「これはアルゴスの眼」だと言われました。
アルゴスというのは、ギリシャ神話の怪物です。全身に百の目を持ち、
その瞳は交代で眠るのでいつもどれかが開いています。
 
つまり、アルゴスには時間的にも空間的にも死角が無いのです。
全てを見抜く力の護符&邪眼を防ぐ盾でもあったみたいです。
 
腰につけているポシェットには片側には塩が、もう一つには
川底で磨かれたような灰色の丸い小石が入っています。
儀式の時口に含み、邪気を写し儀式後石を捨てるのだそうです。
 
そんなことを聞いているあいだに、彼女はカジュの髪を編んで可愛くしてくださいました。
 

 
その後も質問がある度にお伺いしたのですが、彼女はカジュとどんどん仲良くなってゆき、
追いかけっこしたりして 遊んだり、好物の干し杏を頂いたりと、可愛いがってくださるようになりました。
 
そんな彼女は 第一印象のお堅い秘書っぽくもなく、
神秘的な巫女でもなく、親しみやすく気さくな娘さんでした。
 
一度目にお伺いした時に、瞳の色を青と言われ
なぜか絵を描く段階で茶色だと言われたので その理由を聞くと
彼女は青い色が好きで憧れていたようです。
 
額のバンドも、過去世での色は普通のベージュの色…
青ではないそうですが、今は好きな色に出来るので青です。