名前  シャリーンさん   年齢 12歳
 
国籍  ユーフラテス川近郊の村
    (ウバイド人 紀元前5千年〜)  
 
職業 シャーマン(呪術・医術)
 
前世バージョン ○
 
補足
カジュが飛んで行った先には、
現代ならアマゾンのような豊かな緑の森が続いていました。
 
森が多く目視で川は見えなかったのですが、
右側に大きな川が流れる気配がします。
 
どこだろうと思ったらチグリスユーフラテス、メソポタミアという情報がきました。
現在のイラン周辺、古いところではシュメール文明が有名なここは、
紀元前はとても緑が豊かな肥沃な土地だったのです。
 
カジュはある集落に降り立ちました。
その村の家は柱が木で屋根は草で葺いてあります。
「石造りじゃないんだ・・・文明ってほどまだ出来てない時かも?」
 
カジュがその家の中に案内してくれるのかと思いきや、
テクテクと村のはずれの洞窟に向かいました。
 
洞窟の奥深くに進むと、明かりが灯っていて人が居る気配がしました。
草で編んだ敷物の上でクレオパトラみたいに横臥(横寝)しているインナーさんがいました。
 
その寝姿が女性っぽかったのですが、肌があらわな胸はぺッタンコ…男性でした。
カジュは寝ている彼の胸元にまで近づいて行き、頭をナデナデしてもらっていました。
 
住んでいる場所と、ウサギの耳みたいな羽飾りが特殊であることと
カジュを見てまったく動揺しないその態度から、
彼は常に目に見えない精霊系と付き合っているシャーマンに違いないと思いました。
 
可愛い羽飾りとは裏腹に、眼光の強さが印象的です。
村民には畏れ崇められる存在なのでしょう。
 
そんな彼がおもむろに立ち上がり、少し奥の岩の上から箱を持ってきました。
その中には、薄皮も綺麗に剥かれた白い木の実が入いっていて、
彼はそれを私たちに食べるようにすすめてくれました。
 
古代では、脂質やカロリーが高い木の実は、最も大切な栄養源です。
貴重なそれを振舞ってくれたということが、目に見えない来訪者に対し、
最高の礼を示してくださっているんだなと感じました。
 
「YES NO」のボディーランゲージでお話ししてるうちに、
彼の静けさに違和感を感じました。「もしかして声が出せないのですか?」
こくりと頷かれました。
 
いろいろ聞くと、彼はこの村で生まれた人間ではなく、
精霊の子として村に連れて来られ(でも精霊でなく人間です)
育ててくれた女性はいても、本当の身内らしき存在は一切いないということでした。
 
シャーマンになったのは10歳の時。前のシャーマンから立場を受け継いだ時、
薬で声を失いました。
 
それには、人の声を失う=精霊としゃべれる声(波長の高い声)を
手に入れるという意味がありました。
 
「育ててくれた女性に会いたいですか?」とお聞きしたら。
「ううん」と首は横に振られました。
 
洞窟での一人暮らしは少し孤独そうなのですが、
食事などは村人が外から運んでくるそうですし
彼は何とも思っていないみたいでした。
 
名前のヒントを下さいとお願いすると、顔の横に手を持ち上げて、
その手の中から何かを地面に落としました。
 
それはこの時代には無い、綺麗な高い音がする日本の鈴でした。
名前のヒントは、その高い音の擬音のようで「シャリーン」さんとなりました。
 
年齢は絶対17.8歳だろうなと思っていたのですが12歳でした。
この頃の平均寿命が34歳くらいだったため、成人扱いが早かったのでしょう。
 
人間にはどちらかというとクールな対応の彼も、カジュには優しくナデナデを欠かしません。
再訪時も、犬のように仰向けになったカジュのお腹をいっぱいもしゃもしゃしてくださいました。
 
「好きなことは何ですか?」とお聞きしたら、踊ってみせてくれました。
その時「神は踊る」という言葉が聞こえました。
 
いつもあまり表情も揺るがない彼ですが、カジュと一緒に踊ると、
子供のような表情になり笑顔になりました。
 
全身図は屋外で火を焚いて行う祭事の時の格好です。
右下の絵は呪術や医術に使うための薬を作っている姿で、
その薬草採取も彼の仕事です(一人で森に採りに行きます)。
薬を作る場面を描いて欲しいと、シャリーンさんに希望されました。