名前 タマールさん 年齢 20歳 国籍 バクダット(現在イラク首都) 身長 166p 職業 シルクロードの商人(香辛料・食品) 時代 8世紀(アッバース朝) 前世バージョン 〇 カジュが降り立ったところは、砂漠を思い出させる、砂が多い乾いた土地でした。 土の大地に石の城壁が見えてきました、今の時代では世界遺産でしか見ないような高い石積みの壁です。 ひたすら壁づたいを進んで行くと、城門が見えてきました。 「入れるところがある!」でも重そうな扉で、簡単に入れない雰囲気です。 カジュは木で出来た城門をコツコツと口ばしで叩いてあっさり開けたみたいでした。 中にはいると… 布のテントを張った、簡易な屋台がいっぱいありました。 アラビアンナイトとかに出てくるような、広場にもうけられた市場です。 人の気配はまったくありません。カジュはどんどん奥に歩いていって、 市場の向こうにみえる石造りの家々にたどり着き、その中の一軒に入りました。 入り口は開け放たれ、中に入ると中庭にレンガで囲った丸い池がありました。 中東に住むお金持ちがよく自宅にオアシスをかたどった水辺を作ると言います。 なので、この家の方もお金持ちなんだろうなと思いました。 そのレンガの縁にカジュと私はぽてっと座りインナーさんを待ちました。 建物は二階立てで…しばらくするとその二階の中庭に面した廊下に人影が見え 男の方が降りてきました。ターバンを巻き、衣装も完全にアラビアンナイトの世界でした。 (このあたりの方は肌は褐色ではないようです) スケッチのアップに描いたように満面の笑みで私たちを迎え、家の中に案内して下さいました。 そこは、天井の高い居間で,、壁に沿って置いてある低い椅子には クッションが配置され(スケッチ右下)その前には高級な絨毯が敷き詰められていました。 私はインナーさんに年齢やお名前といった質問をいたしました。 そのあいだカジュは、足元の高級絨毯に気を引かれ、足をそろっと降ろして軽く踏んでみたり… 遂には、全身でコロコロと転がり、気持ちいい感触を確かめていました。 インナーさんが名前のヒントとして持ってこられたのは、料理で使う「おたま」。 そこから「タマール」さんとなったのですが、お調べしてみたところ「タマール」というのは アラビア語で「ナツメヤシ」の事らしく、その木は乾燥に強く根が深いため、 砂漠化防止に最適の樹木で、その実は栄養価も高く、砂漠地帯の多いシルクロードにおいては 特に重宝され「生命の樹」と呼ばれていたそうです。 彼は姉3人の末っ子で、ご両親の気持ちが出ている名前だなと思いました。 タマールさんのお家は大層ご商売が繁盛していて、カリフ(王さま)の御用達の商人もしています。 さらにタマールさんの奥様は貴族の娘さんが正妻で、あと4人も奥様を持ち、(一夫多妻) 10人のお子さんがいたとか。タマールさんご自身は、外商に忙しく、買い付けをおこなったりして ほとんど家を出ていたようです。 (右手の金の指輪は楕円の面にエジプトの象形文字が書かれたものです) それが解ったのは、バクダットの資料を調べて再訪した時でした。 また入り口まで迎えに出てくれたタマールさんは、 今回はカジュを片手に抱きあげ、奥に連れて行ってくれました。 まず、タマールさんが生きていた時代が、昔々バクダットが一番栄えてていた アッバース朝の頃なのかの確認を取り、 その時代のバクダットは3重にも張り巡らされていた円形の城壁だったらしく、 私がみた城壁とちょっと違う気がしたので、ココが本当にバクダットなのか確認のために シルクロードの主要都市の名前を調べ、全部聞いてみました。 サマルカンド、ダマスカス、イスタンブール等など…彼は「みんな行った事がある」と 話してくれましたが、やはり住まいはバクダットでした。(しゃべる方の語学が得意みたいです) いつも明るく楽しそうなタマールさん。 正妻とはあまり仲が良くないと話してくれる時まで「まだ他にも妻は居るし大丈夫だよ(笑)」 という具合に全開の明るさでした。 再訪の質問が終わったら、タマールさんはカジュといろいろ戯れて遊んでいました。 節度をわきまえた態度と、この無邪気な明るさが、彼の魅力のようです。 |