名前 霄(そら)さん 国籍 日本 精霊の種類 風の精 性別 男性 身長 148p(下駄有152p) 前世バージョン × カジュが降り立った場所は湿地の中でした。 短い足を泥に軽く沈みこませネチョネチョいわせながら 湿地を進みました。 尻尾の先も泥にまみれてきたからか 湿地に沈む切り株を見つけ、そこにとまりました。 どんなインナーさんが出てくるのかまったく予測がつかない状況だわ…と周りを見回しました。 湿地の傍には林があり、すぐ前には大きな山がドーンとそびえていました。 「かなり山が近いのね」その時何故か、山から下りてくる風のことを一瞬考えました。 すぐにまた意識を湿地に向け「湿地の精でも出てくるのかしら?」 カジュに「人間さんが来るの?」と聞いてみたら違うと首を振りました。 ぼんやり、インナーさんの出現を待っていると、木々の枝をバサバサとかき分け 牛若丸が飛んできました。まさに弁慶退治の時のごとく女物の市女笠を被り、 笠に付いた薄絹で顔を隠し出現しましたが… 違ったのは彼には翼があったことと、上空に浮きっぱなしであったことです。 スグに笠はどこかに消え、顔がみえました。凛とした顔に髪型は稚児輪。 (昔の公家の男児が結っていた髷で、牛若丸が結っているのが、この髷です) 服は平安時代の子供の服で、下駄が…天狗の履くような一本下駄。 「翼があるし天狗?!」彼にさっそく、そのことを聞いてみましたが 天狗ではないというお答えです。 風と共にやって来たので…普通に「風の精ですか?」と聞いてみたら「そうだ」と頷きました。 質問していないのですが、歳が三千歳という情報がきました。 調べてみれば今から三千年前の日本は縄文時代です。 再訪してみてから解ったのですが、彼はこの林の中の小さな祠に住んでいました。 (鳥居が一個あります、現在日本にはもうその祠は存在しないそうです) 湿地に取り囲まれ小島のようになった中州に、木が生え林になっていました。 その祠が出来た頃に、今の姿になったらしいのですが、元々は凄く古い自然の精霊のようでした。 頭の上で私たちを見下ろしていた彼は、風を操り浮いてるようでした。 彼は木にとまっていたカジュに気が付き、風を使いカジュをヒョイと自分の顔の傍まで近づけました。 「まるで念動力みたい」と思いました。 どのインナーさんも不思議に思う妙な生き物のカジュに、彼も「お前はなんだ?」と聞いていました。 カジュの答えは「カジュぴちゅ」。会話に成っていない会話を交わした後、 彼はカジュに付いていた泥が気になったのか、風を使いカジュの体をクルクル回し泥を剥がしてくれました。 その続きにカジュを自分の頭の上で左右にポンポン飛ばしていたので、 そんな男の子的な遊びにハラハラした私が「そろそろカジュを返してくださいませんか?」と言うと 彼はラグビーボールを持つように、カジュを小脇に抱え「イヤだ」と言い、そのまま夜空に飛び上がりました。 「上空でカジュと遊ぶんだわ」これ以上は質問が出来なさそうだと諦めた時、 大事な質問を思い出し「あ!そうだ名前!お名前は〜!?」 彼は上昇しながら「そら!」と言いました。「空」という漢字かなと思ったのですが ナゼかと「上に点が無い空」いう文字のイメージがきます。 いくら「空」を調べても「上に点が無い空」なんて漢字はありません。 何でだろうな…と漢和辞典で「そら」という言葉を調べていたましたら 「霄」という漢字が出てきました。 意味は「大空」「天空」「天空の霊気」普通の「空」の意味より より清く高い空のイメージです。ぴったりだわ…確かに上に「点」もないし(笑) 再訪時この漢字で良いですかとお聞きしたら良いとのことでした。 私が知らない漢字だったので「上に点が無い空」なんていうイメージで伝えて来られたのでしょう。 上空にいった霄さんはその後(再訪の時も)カジュと仲良く遊んでいました。 2人で手を繋ぎ、自力で飛んでいないカジュを風で優しく支え、 空中のスケートを楽しんでいました。 彼が飛ぶと風の筋がみえるのですが、初登場時の市女笠や薄絹はその象徴のようです。 |