名前  みはしさん   性別 男性
 
国籍  日本      身長 161p(人型の場合)
 
精霊の種類  水の精(蛟(みずち))
 
前世バージョン ×
 
 
飛んでいったカジュが降り立った地面は狭い土の道でした。
手前には鬱そうとした木々。道のスグ横は水辺です。
 
闇のように真っ暗な池… 池というより淵という言葉が似合います。
カジュは円形の淵の周りの細い道を踊りながら真ん中まで行き
私は魔女の鏡みたいな、真っ黒な水面を見つめていました。

 
何で真っ黒なんだろう「カジュ、まさか水が黒いの?」「フルフル」
じゃあ夜なんだと思い、見上げると星空です。水辺を囲むように木々がそそりたって、
その影が淵にまた濃く影を落としていたのです。
 
しばらくその黒い水面を見つめていましたら蒼いさざ波が水面に立ちました。
「蒼い?」水面の上に誰かが立っているイメージがきました。
 
姿を現すまでにしばらくかかりましたが、透明なのか全身がほんのり蒼く、
色があまりない感じで、まるで立体映像のようです。
 
烏帽子(えぼし)を被った平安の衣装を着て、
一番初めに目が付いたのが、もみ上げの横髪なのですが、
平安の成人男性にはあまりない髪形です。
 
顔は公家さまのように丸眉、口紅が引いてあります。
ご挨拶をして、私は現実でスケッチしたあと、インナースペースに目をもどしましたら、
かの方はカジュに興味を持たれたみたいで、持っていた笏でカジュのアゴをひょいと持ち上げ、
なにやら話かけておられました。
 
そのあとカジュを笏の上にのせ「灯篭のように明るいのう」という感じで、
カジュを乗せたまま、その辺りを照らしてみるように、くるりと一回転なさいました。
 
私は「水の精さんですか?もしかして蛟?」(蛟(みずち)は蛇とも龍とも言われている古来から日本にいる水の精です。)
と、質問をすると、彼は上品に笏を口に持ってゆき口を隠しながら「そうだ」と返事してくださいました。
そのさい、笏に乗っていたカジュは、もちろんボチャンと水に落ちました。
 
これ幸いに水泳好きのカジュが、泳ぎだしたのですが「勝手に泳ぐでない」と
インナーさんに止められたので、すぐに陸に戻ってきました。
水の精である彼にとって、この淵自体が彼そのもの(本体)なのかもしれません…
いうなれば「体の中をもじょもじょと泳がれるのは困る」みたいな感じなのでしょう。
 
彼も別に怒った感じもなかったので、引き続きお名前をお聞きしました。そのヒントは、
淵の水が噴水みたいに…いえ、それよりは真っ直ぐ水柱のように上がったことでした。
「水柱(みずばしら)」→「みずばしょう」。「み」は合っているらしく「みはしら」→「みはし」様となりました。
 
みはし様の淵は現在の日本では、埋め立てられてもう無いようなことをおっしゃっていました。
いろいろ調べるために検索しているうちに「御橋(みはし)」という言葉に出会いました。
神様しか通れない急な形の神橋をそう呼んだりするそうです。
「向こう岸へ渡るための橋は、違う世界への入口とも考えられてきました。
 
橋をめぐる不思議な話や民話は、数多くあります。これは異世界への入口、という橋の機能を象徴しているといえます。
神社においては、清らかな水の流れを越えることで身を清め、俗世界とは異なる
清浄な神様の世界へ入っていくという意味となります。
みはし様が水の清らかさに、気を遣われているのは、こんな理由もあるのかもしれません。
 
みはし様が水面の上で舞うと、春は桜が咲いたり、周りの木々に水が行き渡るようなイメージがきました。
みはし様は、清らかな美しい水を周りに振りまいて自然を豊かにしておられるようです。